忍者ブログ
日和やオリジ等々の、絵ログや駄文を置く倉庫。
[249]  [248]  [247]  [246]  [245]  [244]  [243]  [242]  [241]  [240]  [239
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。



エリーザベスの口調とかを簡単に書きたかったSS。
特に何かあるわけでもないので追記に。




 「そこの方。聞きたい事がありますわ」
 
後方から聞こえた少女というには落ち着いた、女性というにはまだ幼い声に反射的に振り返れば、
ジャンクフィールドという、がらくた置き場には不似合いな、こぎれいな姿をした女性が
腰に手を当ててこちらを睨んでいた。

見覚えのないその女性の姿に首を傾げれば、女性は足場の悪いがらくたの道
を邪魔そうに避けながら、こちらへと歩み寄ってきた。
「お聞きしたい事がありますの。この辺で、くるくるした長い金髪で、
スコップを持った態度のでかい女を見ませんでした?」

このジャンクフィールドで女性の言った特徴に合う女―というのはどうも違和感がある―は
かなり限られている。というか、1人しか思い当たらない。
若草色をした膝丈までのドレスを纏った女性は、どうみてもジャンクフィールドにはいないモノ。
よってこの町の『外』からやってきた事になるが、この町のヒトの話では、
町の『外』から来るヒトの半分くらいはあまり良くないヒトだという。

女性の探しているという人物のところへ案内してもいいものか、若干不安がある。
いつまでも返答をしない事に痺れを切らしたのか、女性のきれいな形をした眉がつりあがった。

「ちょっと、聞こえているのでしょう!?お答えなさい!!」

思いのほか大きなその声が、耳にキンキンと響く。
思わず耳をふさげば、女性はハッとしたように口元を押さえて、小さく咳払いをして見せた。

「失礼しましたわ。ですが、早く答えないアナタも悪いのですわよ」

自分だけが悪いのではないと、さらに目で訴える女性に、思わず苦笑を浮かべてしまった。

「初対面の相手に、いきなりあのような質問も失礼でしたわね。紹介が遅れましたわ。私は……」
 

「あら、こんな所にいたのね」

 
女性の言葉をさえぎったのは、まさに女性が探しているのであろう人物、がらくたサマだった。
小高く積まれたガラクタや鉄屑の上から、軽やかに降りたがらくたサマは一度、
女性に目を向けると、そこには何もいなかったかのようにこちらへ向き直り、小首を傾げてみせる。

「どうかしたかしら?」

何事もないように言うその口調は普段の通り。
その様子を見ていた女性は、わなわなと肩を震わせている。
その気迫が重く、がらくたサマにこっそりと、彼女の事を話してみると、
先と同じように女性のいる方向を見て、やはり何もないようにこちらを向きなおした。

拍手[0回]

PR
この記事にコメントする
お名前
タイトル
文字色
メールアドレス
URL
コメント
パスワード   Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
カレンダー
03 2024/04 05
S M T W T F S
1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30
フリーエリア
最新コメント
[01/30 刺磨]
[01/29 ハレタカ]
[11/27 刺磨]
[11/26 ハレタカ]
[10/30 刺磨]
最新記事
(01/01)
(04/29)
(04/09)
(04/08)
(04/07)
最新トラックバック
プロフィール
HN:
刺磨
性別:
非公開
バーコード
ブログ内検索
P R
アクセス解析
カウンター
忍者ブログ [PR]