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日和やオリジ等々の、絵ログや駄文を置く倉庫。
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「好きだって言ったらどうすル?」

都市王の言葉に、篁が振り返る。
眠そうにしている眼をわずかに見開いて、また目を細める。

「どうすル?」
「それを聞いてどうする気だ?」
「ちょっと聞いてみただケ」

喉奥で笑うその声に、篁は一度視線をずらし、もう一度戻す。
口元に笑みを浮かべながら、都市王は篁の反応を今か今かと待つ。
篁はそっと嘆息し、都市王の手を取り、その掌に唇を落とした。
予想外の反応に、都市王は目を瞬かせ、ぽかんと口を開いた。


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「閻魔さんに、会ってみたいですのよ」

拳を握ってきっぱりと言い放った泰山王。
一瞬の静寂。
都市王はもてなしで出された茶を一口すする。
再び静寂。

「なしテ?」
「十王の最高王にして冥府の統括者ですよ?一度お会いしたいと思うのは可笑しいことです?」
「んー……」

泰山王の言葉に、都市王は悩んだ。
普段の閻魔の様子を知っている都市王にとって、泰山王の言葉は首を傾げるモノだった。

「閻羅ちゃんに夢見てると、打ち砕かれるヨ?」
「都市王さんの知る閻魔さんは、どのような方なのです?」
「あー…それ聞いちゃウ?」

泰山の目は、新しいものを見つけた子供のようにきらきらと輝いていた。
都市王は居心地悪そうに、そんな泰山王から目をそらし、茶を啜る。

「意地悪しないで教えてくださいですのよ、トシオさん」
「意地悪というか、どう説明すればいいのカ…」
「トシオさんの思ったままを教えてくだされば良いですのよ」
「思ったままネー」

たっぷり数秒黙り込む。

「うーん…セーラー、大王?」
「セーラー…ですか?」
「もしくはイカ」
「イカ!?」

 


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「いいか初江、自分の考えたことで一人で泣くくらいならな
 まずは誰でもいいから相談してこい。泣くならそれからにしろ。
 おまえはいつも、深く思いすぎて泣いているみたいだから
 もう少し考えを軽くもて。誰かに相談しづらいなら俺に相談しろ。
 泣くのはそのあとにしろ。
 わかったな?」

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「ほんの数秒前までいた秦広王がいきなり消えて、周りが何事もなかったかのように
 俺のことを”秦広王”と呼び出した時には、まぁ、ゾッとしたな」

―――で、当たり前のように裁判をこなせる自分にも寒気を覚えた。

パラパラと書類に捺印しながら、秦広王は答える。
都市王はもてなしとして出された茶を啜りながら、黙って話を聞いた。

「先代と面識のあった十王はいなかったみたいだから、あの時
 十王達には何の変化もなかっただろうが、この秦広庁に勤めていた役鬼達は
 今までつかえていた王がいきなり変わっても、何も変わらなかったな」

―――最初から俺が秦広王であるかのような態度で接してきた。「

だから、俺が新しい秦広王と交代したとしても、ここで行われる裁判に
 何の影響も支障も出たりはしないだろ」
「けど、初江庁は支障が出るかもしれないヨ?」

 ―――あの泣き虫な裁判官は、きっとたくさん泣くだろうから。

秦広王の手の動きが止まり、亡者の裁判を終えていた秦広庁に一瞬の静寂が訪れる。

「くだらねぇ、面識のある十王であっても、消えていく十王のことは冥府の摂理で
 勝手に忘れて、新しい十王が仕事しやすいように記憶を改ざんするんじゃねぇか」
「改ざんしてもネ、覚えてるヤツは覚えてるんだヨ」
「お前みたいにか?」

まさか、と都市王は苦笑を浮かべる。

「俺はそこまで記憶力よくねぇんダ。
 いなくなったヤツらのことまで、いちいち覚えちゃいないサ」

口調は軽いものだった。
けれど、浮かべたその笑みには、穏やかな寂しさが表れていた。



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