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CSキャラで小話を、書きたいように書いています。
以下のお子さんお借りしています。
・晴太さん
・椎那さん
・縷々さん、シュウちゃん
目を覚ますと、どこかの室内のようだった。
晴太は辺りを見回す。
見たところ見覚えのない作りの部屋で、日本の建物の作りとは違うようだった。
「ん…」
小さく漏もれた声に軽い驚きを感じ、辺りを探ると
部屋の隅に人が倒れているのを見つけた。
ひらりとした女性らしい洋服に、ウェーブのかかった長い髪の女性。
その横にはフードつきのパーカーを着た髪の短い女の子と、黒い犬。
気絶しているらしいその2人を揺すり起こす。
「あれ?」
「あら…」
気が付いた2人が、晴太と同じように辺りを見回す。
「ここどこやねん」
「ここ、どこかしら?」
どうやら2人ともこの場所に覚えはないようだ。
「お前たちも見覚えないのか」
「っていうか、お兄さん誰やねん。縷々、近づいたらアカンで」
「でも、悪い人には見えないわよ?」
知り合いらしい2人。
晴太からかばうように髪の短い女の子が、縷々と呼ばれた女性の前に立つ。
害はないということを示すように、晴太は両手を上げてその意を示す。
「俺もここがどこだかわからないんだ。えっと、縷々に…、」
「…椎那や」
「貴方は?」
「俺は晴太。晴天の太陽で晴太な」
「私は縷々よ。はい、これで私たちは知り合いよ。だから椎那ちゃん、警戒は解いて、ね?」
縷々の言葉に不満そうに唸りながらも、椎那は警戒の構えを解いた。
「変なことしたら、モモ太が噛みつくからそのつもりで」
椎那が犬にしてはやけにでかい、黒い犬の頭をガシガシと撫でて、晴太を見る。
「それで、ここがどこかって言うことだけど…」
「結構広い部屋だけど、窓もないから外も見えねぇな」
今一度、ぐるりと室内を見回す一同。
人気がない上にドアがなく廊下が見えるような部屋であるため、牢屋であるという考えはなかった。
晴太は警戒しながら、唯一の出入り口へと近づく。
そうっと廊下を覗くと、ドンと何かにぶつかった。
「うお!?」
「うわ!?」
ぶつかった勢いで転んだ晴太。
同じように転んだであろう人の声が聞こえた。
「いったーい…いきなり出てこないでよぉ…」
「わ、わりぃっ!!」
素早く起き上がり、ぶつかった人影に手を差し伸べる。
改めてその人物の容姿を見る。
頭の上でポニーテルにされた。グレーがかったピンク色の髪の毛に、赤い双眸。
少女と女性の中間にいるような、女の子。
晴太の視線に気づいた人物は、晴太の手を取って立ち上がる。
「ありがとう、お兄さん」
「お、おぅ…」
「…もしかして、お兄さん達が、呼ばれた人?」
「よばれた?」
晴太が首を傾げる。
話の内容が気になったのか、縷々と椎那も2人の近くに寄ってきた。
「アタシの名前、シュウっていうの。ねぇ、お兄さん達、外に出たい?」
晴太が目を瞬かせた。
「外に出たい?出たいでしょ?」
シュウと名乗った少女は、晴太の顔面に接触するのではないかと思うほど
顔を近づけ、念を押すように同様の問いを彼に向けた。
シュウの迫力に押され、状況の飲み込めない晴太が流されるように
首を縦に振ると、彼女はにっこりと微笑んだ。
「じゃぁ、急ごう。早くしないと出るのが難しくなっちゃう」
何のことかと尋ねる前に、良い終えるとほぼ同時に
シュウが通ってきたと思われる廊下の奥から、複数の思い足音が響いてきた。
「やっば、もう見つかったの…!?」
「おい、いったい何を…ッ」
「こっち、着いてきて!!」
シュウは、晴太…ではなく、縷々の手を掴んで走り出した。
「え?え?」と、状況についていけていない縷々の手を掴んでどんどん先に進んでいく。
呆気にとられる晴太と椎那は、一度お互いに顔を見合わせた後、聞こえてきた足音にハッとして
シュウと縷々の後を追いかけた。