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一次創作で小説を書いてみる。
短いはずが何だか長くなっています。
これにて一段落。
「ヒカルかぁ、良い名前だね」
煉瓦亭の食堂で、一同は茶を飲みながら雑談を交わした。
マガツミが消え去った後、コリコ達と戦闘をしていた影もきれいに消え去った。
のなめこと、ヒカル達と合流したコリコ達に、ことの顛末をはなし
こうして煉瓦亭に戻ってきている。
「でも結局元の世界に戻れないみたいネェ」
ジルフェオードが頬に手を当てて、困ったように呟いた。
そんなジルフェオードの背中からひょっこりと顔をだし、タカラは言う。
「きっと次のお祭りのときには帰れるんよ」
「そうだね、祭り時なら”導”も出るだろうしね」
コリコが頷くと、タカラはコクコクと頷いた。
「導?」
ヒカルが訊ねる。
これはまた知らない言葉だった。
「導というのは、外の世界とこの世界を繋ぐ道のことでござる」
紅茶に口をつけながら、セイランが言う。
「このジャンクフィールドでの花祭りはもう終わっちゃったから、しばらくお祭りはないけれど…」
「でもまたお祭りがあるから、その時にでも導を探せば、きっと元の世界に帰れるよ」
ジルフェオードの言葉にコリコが言葉をかぶせる。
「それまでは、ここに…煉瓦亭にいればいいわ」
がらくたサマがぽそりと、しかし聞こえるように呟いた。
その案に、ヒカルは少し戸惑った。
「今更だけど、迷惑とかじゃない…?」
その言葉に、食堂から音が消えた。
数秒間の静寂の後、がらくたサマが目を瞬かせて、そして、ほんの少しだけ
気のせいかもしれないていどに微笑んだ。
「本当に今更ね。ここまで来て、迷惑だなんて思うヒトの方が少ないんじゃないかしら?」
がらくたサマが、辺りをくるりと見回す。
「ソラの言うとおり。今更迷惑になんて思わないよ」
「なんよ。タカラはお友達が多くて嬉しいんよ」
「行く当てもないんでしょう?だったらここにいたほうが何かと好都合でショ?」
「ヒカル殿のことを迷惑と思うモノは、この場にはいないでござるよ」
一同の言葉に、どこか安堵して、ヒカルは息をついた。
「なら、改めて言いましょう」
がらくたサマがヒカルに向き直る。
ヒカルもがらくたサマを正面から見直す。
「ようこそ、こんなところへ。
歓迎、という言葉があうかはわからないけれど、歓迎するわ、ヒカル」
であった時と同じ言葉で、がらくたサマはヒカルを迎え入れた。
おわり