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日和やオリジ等々の、絵ログや駄文を置く倉庫。
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オリキャラで短い話を書いてみる。
前の話『空の色』シリーズ → 『土の音』シリーズと、若干つながっています。




  
 
「いいから怪我診せろ言ってんのよ!!!おとなしくしなさい!!」
「貴様に診られる怪我はないでござる!!!」
 
ベッドを抜けて食堂へと向かうと、セイランとジルフェオードが
互いの胸ぐらをつかみあいながら、激しく言い争っていた。
 
驚くのなめにタカラがそろそろと近づいてきて、服を掴んだ。
 
「のなめちゃん、体もう大丈夫なんよ?」
「あぁ、大丈夫だよ」
 
のなめが微笑を向けると、タカラはうれしそうに頷いた。
その場にはコリコもいたが、セイランとジルフェオードの
言い争いにため息をついていた。
 
「アナタ達、まだやっていたの?」
「そうなのよ~。セイランったらアタシに診られるの
嫌だってずっと言ってるのよ~」
 
がらくたサマが呆れたように声をかけると
ジルフェオードの表情が一転し、照れ笑いのような表情になった。
それを見たセイランの表情はさらに険しいモノになったが
のなめは見なかったことにした。
 
「それで、結局どうすることになったの?」
 
見飽きたと言いたげにコリコは意識を、のなめとがらくたサマに移すと
のなめは目を瞬かせがらくたサマを見、がらくたサマは無言のまま
ジルフェオードとセイランの許へと歩み、2人の間に割って入った。
 
「アナタ達、まだ騒ぐ気なら外に締め出すけれど、良いかしら?」
「騒いですみません!!」
 
ほぼ直角になるように頭を下げたジルフェオードに、がらくたサマは満足そうに頷いた。
 
「セイランちゃんも、ごめんなさいするんよー」
「…………申し訳ない」
 
小さく漏らす言葉は、どこか不服そうに感じるモノだったが、がらくたサマは
特に追求することはなかった。
 
「……それで、どうすることになったの?」
 
コリコがもう一度問うと、がらくたサマに視線を移した。
 
「のなめも付いてきてくれるそうよ」
「のなめちゃん戦えるんよ?」
「いや、彼は戦えないでしょ?」
 
タカラの疑問にコリコが答える。
商人たちとの諍いの際、ただ立ち尽くしていたのなめのことを思い
そう言ったのだろう。
付いていくことと、戦うことがイコールで繋がらないのなめは首を傾げた。
それを見たジルフェオードが口を開く。
 
「アンタの歪罪は本能。だから理性であるアンタが、本能に勝てば
 歪罪は元の形に、アンタの中に戻るのよ」
「それは、一緒についていかないと絶対にダメ?」
「そうね。当人以外が歪罪を倒しても一時しのぎにしかならないから……」
「対がハッキリしている相手なら、付いてきてもらいたいよね」
 
コリコが言葉と共に、ファイから渡された剣を、のなめに差し出す。
剣を受け取ったのなめは、微妙な顔をしながら、扱いなれない剣を抱いた。
 
「大丈夫だよ、僕らがフォローするから」
「のなめちゃんは、トドメだけさせばばっちりなんよ」
 
くるりと回ってVサインを見せるタカラの言葉に、コリコも習ってVサインした。
簡単に言われたが、のなめは不安をぬぐえなかった。
見かねたセイランが、のなめの肩を叩く。
 
「大丈夫でござる、某もマガツミと会い見えるのは初めてでござるが
 がらくた殿もいる。大きな心配は必要ない筈でござるよ」
「なーによ、アンタ自分のわからないことは他人任せのソラ任せ?」
「そっ、!!某はそういう意味で言ったわけでは……!!」
「じゃ、どーゆう意味で言ったのよ?」
 
セイランの言葉にジルフェオードが言葉を挟むと
2人の間で小言の言い合いが始まった。
子供のような2人のやり取りに、コリコが堪らず溜息をつく。
 
そんなコリコの横でがらくたサマが動いた。
小言を言い合い、言い争いにまで発展しつつある2人の
首根っこをがっしりと掴むと、風通しのために開け放っていた大窓めがけて
勢いよく、軽々と男2人を投げ飛ばした。
先刻の宣言通り騒いだために投げ出された2人は、鈍い悲鳴を上げながら
煉瓦亭から締め出された。
 
一連の流れに呆気にとられているのなめの肩を、コリコがポンと叩く。
 
「僕らがフォローするから、多分大丈夫だよ」
 
二度目のフォロー宣告に、のなめはすがる気持ちで頷いた。
 
「頼んだ」
「タカラ達にお任せなんよー」
「まぁ、今すぐにどうするわけではないけれどね」
「どういうこと?」
「歪罪の活動している場所とか時間とか、わからないから」
「まずは皆で探すんよー!!」
 
タカラの言葉に、窓の外から掠れた声の「おー……」という声が漏れてきたのは
きっと気のせいではない。
 

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