【コラボ】カゴノ向カゴノ裡

龍光君拉致パート２（待）
そろそろ黎明さんに体育館裏に呼び出されそうでイヤだ。

黎明さん龍光君が負けず嫌いと聞いて、かいてみたくなったブツ。
しかし消化不良、アァン。


ハレタカさん宅のお子さんお借りしました!!
何度も言うけれど拉致しすぎです!!大好きです!!（カッ）

白と黒と緑だけが広がる陣地の取り合い。
そこから最後の黒が消えると、静寂がその場を支配した。
もともとにぎわっていたわけでもないその場所から、さらに音と会話が消えた。

今しがた白色で緑の陣地の全てを支配したもの。
今しがた黒色を緑の陣地から全て奪われたもの。

二者の間に言葉には表せない空気が漂った。

「…えっと、さっきよりも、強くなってる、よ？」

白色を操っていた、長髪の青年が声を発すると
目前で黒色を操っていた子供の肩が小さく揺れた。
すると青年も小さく肩を揺らす。

2人のしていたのは子供でもできる簡単な陣取り遊戯。
青年のいた場所の、とある地域ではオセロと呼ばれている
黒と白のコインを用いて遊ぶもの。
シンプルだが、相手のこま位置や手を考えるその遊び。

青年が持っていたそのオセロの遊戯盤を見た子供が、
いったいどんなものなのかを尋ねたところ、実際にやってみたほうが早いと
簡単な説明をはさみながら遊戯を始めた。

遊戯とはいえ簡単な勝負事であることを説明に加えながら
青年は白色を、子供は黒色を操って遊戯を進めたが
柚木の理を知っている者と知らない者。
遊戯は青年の勝利となった。

青年はそこで、ほかの遊戯を薦めたが、子供は再度同じ遊戯を申し出てきた。
子供がその遊戯を気に入ったと思った青年は、子供の申し出を受け入れ
再度同じ遊戯で子供と勝負をした。

二度三度同じ遊戯を繰り返したが、全て青年が勝利を収める。
四度目の再戦を子供が申し出てきたときに、青年はやっと
子供が遊戯を気に入って何度も申し出てきていたわけではなく
負けた事が悔しく再戦を繰り返し申し出ていることに気がついた。

一瞬、手加減、わざと負ける、という単語が青年の中に浮かんできたが
すぐに頭を振って、その考えを振り払った。

幼い日に半身（きょうだい）と同じように遊戯をした。
自身が連勝を重ねてしまった際に、負け続きで涙を浮かべた半身（きょうだい）が
とても悲しかったため、わざと負けて勝利を譲ったことがあったが
勝利を収めた半身（きょうだい）が手加減されたことで大泣きし
半日部屋の箪笥にたてこもるケンカをしてしまった。

目の前の子供と半身（きょうだい）を同じに考える等、したくはないが
たぶん、おそらく、自分が手加減をすれば、目の前でじっと遊戯盤を見つめる子供は
半身（きょうだい）のように怒るのではないかと、青年は思った。

七戦目、七連勝をした青年と、その逆の子供。
両者の間には、依然として微妙な空気が流れていた。

「…もっかいや」
「他の遊戯も、あるよ？トランプとか…絵札取りとか…」
「もっかいや」
「僕、他の遊びも…」
「もっかい」

折れない子供に苦笑を浮かべる青年だったが、子供の頭をそっとなでる。
もうおしまい、と言うと同時に今まで二人の遊んでいた遊戯盤は
霞のように消えてなくなった。

「そろそろ、キミのお父さんが、また呼びにきてしまうよ」
「おとんが？」
「そう、だからもう戻って」

青年が言うと、子供は背後を振り返る。
少しうつむいて、もう一度青年に向き直ると、小さく「わかった」と頷く。

「次ぎ来た時に、もっかい勝負や」
「…あぁ、うん、次にきたら、ね？」

青年の言葉に子供は頷いて、きびすを返して
背後に広がる森の中へと姿を消した。







「ねぇ、ナイトメア、あの子次に来た時って言ったけど」
『……』
「またココに来るのかな…？」
『…』
「普通は、来れないよねぇ…招いたわけでもないのに」
『………』
「別の領域に、引っ越すの考えようか？」
『……』