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日和やオリジ等々の、絵ログや駄文を置く倉庫。
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淡々と短く描いたSS。
続きとかそんなのはない。







 

「私はヲリスさ。魔界のモノは、魔女と呼ぶものが多いがね」

 

菫色のザンバラに伸ばされた髪の毛に、くたびれてくすんだ長帽子。襟と袖にフリルのついたシャツをゆるく着込んだ男は、右手にロリポップを持ったままにんまりと笑みを浮かべた。

学校の2階の窓辺に、夕日を背にして足を組むその姿は、学園の関係者のものではないとすぐにわかった。奇天烈な服装をした、ヲリスと名乗った男は、夕日と同じ赤い対の目で、机に置かれた本を楽しそうに見据えた。

 

 「そう警戒しないで欲しいな。私はその本を回収しに来ただけナンだから」

 

ヲリスの言葉が2人しか人影のない教室に、静かに響く。

数秒の沈黙。

誰が動くわけでもなかった教室で、カタリと物音がした。

掃除用具箱の箒が音でも立てたのだろうかと、窓辺から背後へと視線をずらせば、先ほどまで閉じていた本が吹き込んだ風にパラパラとページを躍らせている。

 

「その本は魔物を封印した本。本来こんなヒトの集まる場所にあってはいけないものナンだよ」

 

魔物。封印。

ゲームやファンタジーでしか聞いた事のないような言葉を連ねるヲリスに、得体の知れない気配を感じ、思わず一歩後退した。

とにかく、一秒でも早くこの場から抜け出すため、机でページを躍らせる本を乱暴に掴み取り、半ば無理やりヲリスに本を押し付け、その手に持たせると、自分の机にかけていたカバンを取り上げ肩に下げ、急いで教室から飛び出ようとした。

教室から廊下へ出るために引き戸に手をかけ、力任せに戸を開こうとした。

 

――ガチン。

 

戸は開かない。

思いもよらぬ事態に焦りが募る。何度戸を引いても、押してもとは頑なに閉じたまま。

 

「ムダだよ、君はもうこの魔物に目をつけられているみたいだからネ」

 

 

 

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